2022/09/28 11:20

実りの秋到来、旬の魚と言えば「サンマ」ですよね!

そんなサンマも将来的には食べられなくなる可能性がいま、現実に起こっているのをご存じでしょうか。

 

海洋酸性化問題…、なかなか難しい言葉ですが、とーても簡単に言うと

海の酸性化が進み、魚が育たなくなる」問題です。

将来、80年後には海の生物が20%も減ってしまうという試算もでているほど、大きな環境問題なんです。

 

ちょっとショックな問題ですが、事実を知り私達にできる取組みを始めることから環境問題は少しずつ変えられるはずです!

 

今日は海洋酸性化の現状と私たちにできることをお伝えしたいと思います。

■海洋酸性化ってなに?そもそもpHってなんのこと?

理科の授業で習ったpH。リトマス試験紙という薄っぺらい紙で「青になった」「赤になった」と実験しませんでしたか。

そう、あれがpHです。



pHとは、その液体がアルカリ性なのか酸性なのかを示す、水素イオンの濃度具合をあらわす単位。pHの数値が高いほどアルカリ性を示し、低いほど酸性に近くなります。

 

そして本来の海水はpH8の弱アルカリ性です。海洋の種類や深さによって標準となるpHが異なるため、明確な海洋酸性化のpH値は示されていませんが、pHが徐々に下がり世界各地で海洋酸性化が進んでいます。

■海水に溶け込み過ぎたCO2。水素イオンが吸収できずに酸性化が進んでいる。

海洋酸性化の原因として二酸化炭素が大きく関係しています。

実は、海水は二酸化炭素を吸収する性質があり、大気中に発生した二酸化炭素の30も吸収しているというデーターもあります。



海洋中に吸収された二酸化炭素(CO2)は化学反応を起こし、炭酸(H2CO3)へ変化。さらに化学反応が起こった結果、最終的に水素(H)が海中や海底に蓄積されます。

本来ならば、海藻などの生物によって分解されていた水素ですが、大気中の二酸化炭素量が増えたことで、海水への二酸化炭素も増え、過剰となった水素が処理しきれず溢れていることからpHが下がり海洋酸性化が進んでいるのです。



また二酸化炭素は海水温度が低いほど溶け込みやすいという性質があります。

その影響もあり、北極海の海では大変なことが起きているとNHKスペシャル「海の異変」で紹介されています。

 

海洋の平均pHは8ですが、北極海の海水はpH7.57.85と酸性に近づいています。そしてpH7の北極海ではプランクトンの一種である「翼足類(よくそくるい)」のミジンウキマイマイ(体長3ミリほど。北極海周辺の海域に生息し魚の餌となる)殻が実際に溶け始めていることが確認されました。



殻が溶けるということは、ミジンウキマイマイ自身も泳げずに生きることができないのです。プランクトンが育たないということは、それを食料にしている中型の生物も生きられないということ、さらに大きな生物にも影響がでてきます。

 

 

さらにアメリカの大都市シアトルでも深さ60mほどの海底に生息しているダンジネスクラブ(カニの仲間)の赤ちゃんの殻にも穴が開き、うまく成長ができないという報告も。

 

さらにさらに日本の東京湾でも海洋中の酸素・栄養状態の悪化が原因で底生生物が減少していることや、ゴイサキガイ(貝の一種)の殻が他の海洋に比べて薄くなっていることが紹介されていました。



とてもショッキングな事実です。

北極海という遠く離れた場所の話ではなく、身近な東京湾でも起こり始めている現実です。

 

このまま海洋酸性化が進めば約30年後の2050年にはpH7.960年後の2080年にはpH7.880年後の今世紀の終わりにはpH7.7になるだろうと発表されています。(アメリカ海洋大気庁(NOAA)がシュミレーションした結果)


■アマモやマングローブで海洋酸性化を食い止める。CO2排出量を抑える。

事実を知ってとてもショックですが、いま私たちが出来ることを取り組んでいる自治体や国の政策も進んでいます。

 
 

岡山県では40年前よりアマモ場の再生に取り組まれています。1980年代、水産資源が減少し漁獲量も大きな影響を受けました。漁獲量を回復させるため稚魚の育つ場所、棲む場所となるアマモ場の再生に力を入れ始めたのが始まりだと言います。



海藻の一種であるアマモは成長速度が早く、半年で1メートル以上になり、その生育過程で大量の二酸化炭素を吸収し、さらに炭素として体内に蓄えることができるのです。

 

アマモ場の再生には多くの困難が生じたそうですが、現在では地元の小中高校生も参加し地域が一団となってアマモ再生に取り組まれています。学生が参加することで、自治体や企業の大人だけでなく、これからを担う世代の子ども達、その家族にまで活動の大切さを広げることができ、大きな輪になっていきますね。

 

 

またベトナムではマングローブの植林活動も進んでいます。マングローブは陸上に生える樹木よりも二酸化炭素の吸収能力が高く、炭素を泥の中に数百年にわたって封じ込めることができると言います。

国連の協力を得ながら76ヘクタール(東京ドーム16個分)分の面積にマングローブの植林をおこない、海洋酸性化の抑止活動に取り組まれています。

 

 

そして海洋酸性化の主な原因は二酸化炭素量の増加にあります。

大きな活動だけでなく、私たちの生活の中でも二酸化炭素量を抑えるために出来ることがあります。

電気の無駄使いをしない、省エネの電化製品に買い替える、車との付き合い方を見直す

など、身近にできることから始めてみませんか。

 

 

ビニール袋の有料化でも、上手く順応できてきていますので、出来ることから少しずつ始めていきたいですね。


OneLuckの和紙素材は土壌分解速度が早く、環境に配慮された素材。

洋服から環境問題に取り組めることもありますよ。
 
OneLuckが使用している和紙素材は土壌分解速度が早く土にもどる素材です。
また和紙素材として使用しているアバカ(マニラ麻)はアマモのように生育速度が早く、その過程で二酸化炭素吸収量も多いので、成長段階から環境問題に貢献できる素材です。
 
和紙素材の着心地はさらっとしていて軽量。静菌性も高く消臭、速乾性にも優れています。
 
洗濯機・乾燥機もOKなので取り扱いも簡単です。
 
 
毎日着る洋服から、環境問題に取り組むのも一歩ですね。
 
 
 
 
参考HP
Spaceship Earth
https://spaceshipearth.jp/
NHKスペシャル「海の異変 しのびよる酸性化の脅威」
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/p3KAyJQ0J4/
BLUE CARBON(岡山県日生町の取組み紹介)
https://bluecarbon.jp/initiatives/000948.html
・岡山観光WEB
https://www.okayama-kanko.jp/school/spot/11108
 
 
 
 
 
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